今回は、唾液のすごさをお伝えしようと思います
唾液はすごい!
唾液のことを意識して、生活することは、みなさん少ないと思います。
最近、マスク生活で、口臭が気になるという相談を歯医者で何度か受けます
それは、マスクで口で呼吸をしやすく、口の中が乾きやすい環境にあるからかもしれません。
唾液が乾くと口臭の原因になります。
これは、一例ですが、唾液が少なくなってから困るという方もあるかと思うので、
今回の記事で唾液のことを少しでも理解していただけることができればと思います。
消化を助ける
唾液に含まれる酵素(アミラーゼ)が、食べ物に含まれるでんぷんを分解し、
胃で消化されやすい状態にします。
消化と言われると、先ずは胃を想像しますが、唾液もサポートしてくれます。
デンプンなので、米やパンを消化しやすくします。
タンパク質は分解できないので、お肉やお魚は分解できません。
口の清潔を保つ
歯の表面などについた食べカスを洗い流す作用があります。
洗い流すシャワーのような役割をします。
味を感じやすくする
舌にある味蕾(みらい)に唾液が味のもととなる物質を運ぶことで、
食べ物の味を感じることができます。
舌は、見た目には平に見えますが、顕微鏡では、粒粒とした突起物(味蕾)の集まりなんです。
唾液がないと、味蕾まで味覚の物質が届かずに味を感じずらくなります。
食べ物を飲み込みやすくする
かたくパサパサしたものでも、唾液とまざることで、
まとまって噛みやすく飲み込みやすい物性になります。
ご飯と唾液で塊をつくることができます。
高齢者の方は、むせやすいかたも多いですよね?
唾液の量が70代にはピーク時の3割ほどにまで減少するから
高齢者のかたはむせやすいんです。
口の健康を保つ
唾液が口の中の粘膜全体を覆って保湿・保護
お口の中に傷が出来ない様に守る働きです。
食べるとき、話すとき唇、頬、舌は無意識でたくさん動いています。
間違って噛んでしまった時はめちゃめちゃ痛いですね。動いてる証拠です。
唾液には、唇、頬、舌の動きを滑らかにする潤滑剤の作用があり、
歯とこすれて傷を付けるのを防いでくれています。
唾液が虫歯になりにくくする
唾液に含まれるカルシウムやリンなどは、歯の再石灰化を促しします。
歯の再石灰化とは、唾液の成分で初期の虫歯は、治せることもあるということです。
唾液がむしばになりずらい環境を作る
むし歯の原因は、ストレプトコッカス・ミュータンスに代表されるむし歯菌という細菌です。
むし歯菌が歯の表面にすみつき、そこの付着物(砂糖)を取り込んで代謝すると、
かわりに乳酸を排出します。
この乳酸はpHが酸性です。この作用で歯が溶かされて穴が開き、むし歯になります。
唾液には、この乳酸により酸性に傾いたお口の中のpHを中性に戻す作用があります。
こうした作用を緩衝作用といいます。緩衝作用が強ければ強いほどむし歯に強い環境を作り出してくれます。
全身の健康を保つ
口から入ってくる細菌の増殖を防ぐ「抗菌作用を持つ」、がんの原因にもなる「活性酸素を減少させる(※)」、なども報告されています。
(※)参考資料→西岡一:唾液と活性酸素とがん予防、業界展望(医歯薬出版)
まとめ
唾液の働きはいかがでしょうか?
あまり、唾液のことは意識せずに暮らしているいますが、
今回、コロナの感染で口腔ケアで感染予防できると注目されました。
唾液も、細菌感染の予防の一つを担っています。
健康な生活のヒントになればありがたいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考文献
*「口腔機能向上マニュアル」分担研究班:口腔機能向上マニュアル~高齢者が一生おいしく、楽しく、安全な食生活を営むために~(改訂版),平成21年
*公益社団法人8020推進財団:「唾液」の神秘と園パワー ホントはすごい!だ液のチカラ!
*西岡一:唾液と活性酸素とがん予防、業界展望(医歯薬出版)
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